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産業用ドローンと民生用ドローンの差【カメラ】について

2017-08-10
チェック
       産業用ドローン スパイダー
      民生用ドローン ファントム 全体に暗めです
      産業用ドローン スパイダーからの対空標識
  民生用ドローン ファントムからの対空標識 少しボヤけてます
 
7月29日(日)徳島県土地家屋調査士会の研修では産業用ドローンと民生用ドローンを飛ばしました。TSCさんからそのときの写真データを頂いたので、どう違うのかくらべてみました。
 
Phantom4はジンバル付きカメラで別のカメラに取り替えることができませんが、産業用ドローンはペイロードを超えなければ、任意のカメラを利用できます。
 
TSCさんのSPIDERはソニーのミラーレス一眼 α7IIを使っているそうです。Phantom4のカメラとは、こんなにカメラの性能が違います。
 
■Phantom4内蔵カメラ
センサー:1/2.3型(5.9mm×4.4mm)、1200万画素
焦点距離:3.6mm
■SPIDER (SONY α7II)
センサー:35mmフルサイズ(35.8mm×23.9mm)、約2470万画素
焦点距離:35mm(単焦点レンズ使用)
 
これらが、今後の測量にどう影響していくのか注視しています。
 
なお、左がSPIDERで、右がPhantom4で撮影した対空標識の写真です。撮影高度は40mくらい。
 
この写真上の対空標識に座標を設定していきますが、どこが座標と対応する位置なのか分からないと精度管理ができません。この撮影高度ならPhantom4でも判別できますが、100mだと判別が難しい。
もう一つ、測量士の勉強をした方はお分かりだと思います。空中写真測量の精度にかかわる地上画素寸法は、イメージセンサー(撮像素子寸法)と撮影高度と焦点距離で決まります。
地上画素寸法が10cmなのに5cmものを表現するのは無理がありますよね。

Phantom4だとセンサーと焦点距離を変えられませんので撮影高度で調節することになります。
Phantom4でもこれくらいの高さなら地上解像度が2cm以内なのでそれなりの精度を出すことができますが、100mを超えると地上解像度が4cmを超えます。対して、α7IIだと100m程度でも地上解像度が2cm以内となります。

前の地理院のUAVの測量マニュアルだと地上解像度が1cmであることが求められました(今は2cm)。これはPhantom4だと高度20mで飛ばさないといけませんが、SPIDERだと高度60mくらいまで上げても大丈夫です。
 
高度を上げることができるメリットは次のようなものがあります。
(1) 高度を上げるほど1枚あたりの撮影範囲が大きくなり、写真の枚数が減る。
(2) 運航スピードを上げることができ、撮影時間を短縮できる。
(3) 写真が減ることで解析時間(SfM)が短縮できる。
(4) ビルや送電鉄塔などの高層建造物や地形・木などの障害物を気にしなくてすむ。
なので、高く飛ばすほうが楽になります。
 
ドローン活用担当リーダーより
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