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津乃峰山の洞窟でSLAM計測

2026-04-21
SLAMの点群
駐車場近くの展望台からの景色
今日は、阿南市さんのご協力のもと、テスト計測として津乃峰山の洞窟でSLAM計測を実施しました。

津乃峰神社の駐車場から階段を下りて20分ほどでしょうか。結構下りたので帰りがきつそう・・・

津乃峰山の洞窟はインターネットで調べると海蝕洞が隆起したものと出てきますが、実は人為的に掘削した採掘坑なんだそうです。
高さが1mに満たない洞窟でSLAMを持ってかがんだまま歩いて計測します。前日までの雨で奥には水も溜まっていました。
光もないしGNSS信号も届かないので、完全にレーザーによるSLAM計測です。

解析してみないとうまくつながるかが分からないのがSLAMのつらいところなので、奥のすぼんだところはiPadのLiDARアプリで補助計測をしておいて、解析がうまくいかない場合の保険にします。

駐車場まではやっぱりきつかった・・・体がなまってます。

帰社してから解析してみると、見事に合成が成功して、洞窟のほぼ全体をデジタル化することができました。

せっかくなので、今回改めて計測手法の違いを整理してみます。
これまでは地上型レーザーを使っていたようですが、このような洞窟で地上レーザーを使うと死角をなくすことはほぼ無理です。
対してLiDAR SLAMは移動しながら計測するので、死角のない計測が可能です。
洞窟がさらに小さい場合は難しくなりますが、今回のようなサイズの洞窟はLiDAR SLAMが得意とする現場だと感じました。

3次元技術は適材適所。今回もよい経験になりました。

加納

天気には勝てないので、気象情報を高精度化する

2026-04-20
今週は、ドローンやSLAMの計測の現場作業があります。
でも今週は天気が微妙で、しかも予報がコロコロ変わります・・・どうしよう

雨の中の仕事は危ないので、あんまりしたくありませんね。
何より、レーザ計測は雨が降るとその雨粒に反射して点群データがゴミだらけになります・・・

現場作業の時間そのものが短く済むので、従来測量のように雨が続くと何も進まないという状況にはなりにくいですが、
無理して雨の中で作業をすることができないので、雨の合間を見つけて現場にいかないといけません。


でも、天気予報も昔に比べると本当に精度が上がっています。
私は天気の予測にドローンのJUIDA講習の先生に、10年ほど前に 教えてもらったwindyというアプリを 使っています。

気象解析モデルはヨーロッパのECMWFというモデル等切り替えができ、1時間予報やピンポイント予報があり、標高を設定して風速を予測することもできます。
今週のような微妙な天気だと何日も先を予測するのはむずかしいですが、数日であれば、かなり精度は高い印象です。

天気はコントロールできませんが、気象予測情報をできるだけ良いものを使うことで、天気によるボトルネックは軽減できます。
建設DXは3次元だけではなく、情報活用も大事です。

加納

「大変になった」の正体は3次元化の副作用

2026-04-17

当社で経験した3次元化の失敗例3つでした。 でも記事として書いてみると、結論としては発展性があるなと改めて思いました。

3つに共通するのは、「見えるようになったこと」です。
 ・見えると気になる
 ・見えるとごまかせない
 ・見えるとイメージ共有は簡単になる

2次元では課題になりえなかったことが、業務の解像度が上がったことで、これまで目立たなかった部分が課題となりました。
ある意味では3次元化の副作用です。

でも、その副作用を乗り越えることで、これまで設計の現場で課題として解決されなかった部分を設計の段階で解決して、後の工程につなぐことができるようになったと考えるべきだと思います。

当社では、とても多くの失敗例があります。

また機会を改めてご紹介しますが、失敗の数だけ気づきがあったとも感じています。
3次元化は、まだ途中です。

加納

3次元モデルを使ったのに、何も決まらなかった打合せ

2026-04-16
打合せそのものを3Dモデルに預けない。

3次元モデルを使って打合せをしたのに、終わってみると何も決まっていなかった。
そんな経験がありました。


打合せの場では、「すごいですね」「こんな感じですね」といった反応があり、イメージ自体は十分に共有できていました。

発注者も完成形の雰囲気をつかんでくれていたと思います。
それでも、打合せが終わったとき、具体的に決まったことは何もありませんでした。


3Dモデルは、見せるだけでも場が成立してしまいます。
モデルを回転させながら、「ここがこうなります」と説明する。

それだけでも伝わったように感じます。実際、理解もしてもらえます。
しかし、そこで満足してしまうと、打合せは「分かった」で終わってしまいます。


3Dモデルを本当に活かすには、「見せる道具」ではなく「決める道具」として使う必要があります。
そのためには、モデルそのものよりも、打合せの設計が重要です。

たとえば、
・断面を示して寸法や規格を確認する。
・複数案を並べて比較し、どれを採用するか選んでもらう。
・チェックリストを用意して、項目ごとに合意を取る。

こうした準備があってはじめて、打合せは前に進みます。


これは従来の2次元で打合せを準備することと全く同じです。

「3Dにすれば打合せが具体的になる」と言われることがあります。
それは間違いではありませんが、3Dモデルがあるだけでは、打合せは具体化しません。

何を決める場なのかを明確にし、そのための資料や進め方を用意しておくことが必要です。


加納

「現場合わせ」という言葉が、3Dでは使いにくくなります

2026-04-15
これをどう埋めるかは経験の差が大きく出ます。
「現場合わせ」という言葉は便利でした。表現しきれない部分を、現場に預けることができました。

2D図面には、表現しきれない部分があります。取り合い部分や高さ方向のすりつけ、既設構造物との納まり——それは「現場で施工しながら合わせてください」と言うことができました。図面に書ききれないことは、現場が解決してくれる。そういう前提が、どこかにありました。

3Dにすると、それは言えなくなります。
地下や暗渠の内部など見えないものは「施工時に掘削してから」と言えますが、少なくとも幾何的な取り合いやすりつけは、誰もが分かるように表現されるからです。

これが結構悩むところで、ある程度完璧に取り合いをモデル化しないと様になりません。
設計技術者としても、完成として出すことが気持ちとしてできません。

一般部であれば、平面・縦断の線形でコントロールできます。
でも取り合い部・すりつけ部は、既設の構造物、地形、道路——それぞれが別の条件でコントロール元になります。
どれを優先するか、整合させるか、3Dモデル上で答えを出さないと先に進めません。

2Dなら「現場で」と言えたその判断を、設計の段階で完成させないと、できあがる3Dモデルは空白部分ができます。
そしてその空白部分は、3Dモデルでは隠しようがありません。

これまで現場合わせだった部分まで、設計で議論を尽くすことができるようになったとも言えます。

加納
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